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ロックの部屋

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GREEN DAY

グリーン・デイ『AMERICAN IDIOT』~パンク度★★~



4年振りの、明るいパンクバンド(?)の代表格【グリーン・デイ】の新譜『AMERICAN IDIOT』はとても素晴らしいものだった。

この4年間の中で起きた、中枢同時テロやイラク戦争に対するロッカーとしての想いが凝縮されたアルバムとなりました。

《AMERICAN IDIOT》
♪新種の緊迫へようこそ
 見渡す限り孤立した状態で
 O.Kなんて言えるような所は見当たらない
 テレビは明日を夢見てるけど
 そんなものに従ってどうする
 それだけで すでに疑わしいじゃないか♪

国際テロ組織アルカイダの背後にイラクがいる。これが、ブッシュ米政権が挙げた開戦理由の一つだった。しかし、イラクのテロ関与を示す証拠は見つからず、大量破壊兵器は見つかっていない。

♪アメリカのアホにはなりたくない
 メディアにコントロールされている国なんて
 情報化時代のヒステリーが
 アホなアメリカで大声を上げる♪

フセインを政権から追い出し「イラクは独裁者から解放され、自由になった」とブッシュ大統領は強調したが………。

グリーン・デイを初めとして、パール・ジャムやREMも反戦、反ブッシュを唱えたようですが、再選されてしまった。こんなアルバムも生まれるロック界もまだまだ捨てたものではないという想いと、音楽の力ってこんなものなのか、という想い。言うべき事は言うべきであり希望は持てるんじゃないかという気にもなった。

そして政治色の強いロックアルバムにありがちな暗く重い印象がないのが、このアルバムの素晴らしいところです。

パンクロックオペラでもあるこのアルバムの主題はジミーという少年(青年)。彼は偽善に生まれ育てられた。戦争と平和の申し子である。

ジミーは戦争と恐怖の産物、40人の手下を連れて権威の心臓に針をぶっさす。喪失と発見の喜劇と悲劇の専属リーダー。犯罪人生に夢中でテイーンネイジャーの楽しみを撲殺しているんだ。(「ST.JIMMY」)

ジミーはこう言った。生きるということは、呼吸をせずに悲劇で死ぬことだ。(「TALES OF ANOTHER BROKEN HOME」)

ジミーは夜、閃光の輝く才能と信頼をもたらすごとく、欲望の街を繋ぎとめる。奴らが街に行進してきて絶望的なささやきをする。人生がフェアになったわけでもなく奴らが持ってきたのはゴーカートと拳銃。世界はまた空回りをしてコントロールが失われる。ジミーは爆弾を入れた手紙を、君に送った。だから地獄の俺に面会に来てくれ。(「HOMECOMING」)


ジミーというキャラクターを借りて戦争の悲劇を訴えたグリーンデイ。これはフーの『トミー』と共に将来、ロックオペラとして再演されそうな傑作品。サウンドは勿論タイトなハードロックが主体ですが、「BOULEVARD OF BROKEN DREAMS」や「WAKE ME UP WHEN SEPTEMBER ENDS」なんてドリーミィな曲もあります。ビリー・ジョーの声は細身ですが、色気を感じてしまいます。これもコンセプトアルバムでありながら一気に聴けてしまう要素かなと思う。

【ラモーンズ】や【バズコックス】好きにもお奨め、たまらないバンドですね。


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